2024.01.28 13:12Doppelgänger(※シャークズ)「えーと、いつ頃かなこれは。アラン・アーカーか、イェンセン・イェーガーか、ウィリアム・ウィルソンか……まあブラット・ブラックでもバラン・バトラーでもなんでもいいか。とにかくどの名前もどーだっていい、どれを使っても大差がない頃だよな? じゃあ吾輩も勝手に呼んでいいよな」 人を食ったような、面白がるような声で歌うように言い、その少女は口元を釣り上げる。似合わない、と何故か思う。癖のある薄い色の髪が、ふ...
2024.01.28 12:54祝福(水ギノ/ギノ→酸)〝ギノルタ・エージの話聞いたか? 近々監査部門のトップに立つそうだ〟〝噂には聞いていたがとんでもないな……元々大した能力じゃないと思われていたんだろう? 人を気絶させることにしか使えない、とかなんとか。今じゃ考えられないな〟〝まったくだ。実際にはあんなに強力な能力だった訳だからな。ああも規格外だとは……正直、彼がMPLSだと言われても驚かないよ〟〝はは、違いない。まあでも、規格外なのは当然だろう。...
2024.01.27 09:08Merry Christmas 2020(長谷柊+シャ) 小さく丸い電球の粒を繋げたイルミネーションは、確かに星のように見えた。柊はそれを三階から見下ろした。マンションに伸びる長い街路樹を、眺めながらいじらしいことだ、と思う。銀杏の葉はとうに落ちたのに、冬も金色になろうとするらしい。 光の粒が、いつもなら夜に混ざり見分けられない歩道の形をなぞるので、柊はなんとなくヘンゼルとグレーテルを思い出す。帰り道がわからなくならないようにと、幼い兄妹が道に落とした...