酸素鏡の語り手問題 仮説A
どちらの男もひょろりと細い。片方は二十代後半から三十代前半というような年で、スーツにネクタイを締めているが、しかし癖のあるぼさぼさ頭に無精髭を生やしているので、どことなく崩れた雰囲気がある。そしてもう片方は、なんというか――希薄だった。何かを定められるような特徴がなく、従って年齢も性別も曖昧で、やや長すぎるような前髪が片目を隠しているという以外に、印象らしい印象がない。
その二人は、少し空いた国道沿いのレンタルショップの店内で立ち話をしている。子ども向けのアニメなどが置いてあるコーナーで、立っているのは丁度、昔流行ったヒーロー番組シリーズの前だった。時折DVDの一つを指差したり、ケースを抜き取ってパッケージを確認したりしていて、どうやら気に入りの作品を勧めているらしかった。
「――テレビでやっていた問題の番組〈無限戦士ゼロサンダー〉っつーのは、まあ要するに、正義の味方と悪の手先どもが戦う話だな。そいつはまず、こんなところから始まる――」
(case.1)
酸素が渦魔空間の存在と平行世界を守っているヒーロー殿・神矢レイジのピンチ(ひいてはそのピンチの規模によっては余波がくるかも~な酸素側の世界の危機)を察知する→長谷部の亜空ダイブ能力でそっちの世界をどうにか覗き見してもらいおおまかな状況の把握&ゼロサンダー周りについて調べてもらう→長谷部が調べたこととゼロサンダーの周りの基礎知識を酸素に教える→こっちの世界のゼロサンダー同位体な守雄をどうにかすればどうにかなりそうだな~→酸素鏡へ
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